遊びの会

第51回医療功労賞受賞について

岡本宏二は「あしかの遊びの会」の活動等により、第51回医療功労賞を受賞しました。

全国医療功労賞受賞(2023年3月20日)
医療功労賞受賞に関する記事(2023年1月11日付)


遊びの会とは

「遊びの会」(正式名称:あしかの遊びの会)は、子どもたちへのボランティア活動として行っています。

東日本大震災による福島第一原発事故後、県内の子どもたちは屋外での遊びが制限され、心身の発達・成長への影響が焦点となりました。子どもの頃に思い切り身体を動かして遊ぶことは、体力づくりや感受性・主体性の育みにつながることから、遊びは健やかな成長のためになくてはならないものなのです。

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遊びの会の視点

①生きる力を育む

遊びの中にはレジリエンスがある
大人になると、コストパフォーマンス(費用対効果)、効率化、計画的、…
そういったものを求められがちですが、そういうことをあまり意識しないことから、本当に良いものが生まれてくるような気がします。
子どもたちの遊びは、ただひたすらに面白いから遊んでいるわけで、無駄や非効率の積み重ねからキラリと光る宝石が生まれます。
生きる力としては、レジリエンスは重要な要素になります。
レジリエンスを、上手く行かなくても少し休んだらまた起きあがる力、またはしなやかな回復力と呼ぶならば、遊びはその連続であり、この力を遊びの会は育てているのかなぁと思っています。

②遊びの会は無い物ねだりしない

あるものでなんとかする(震災直後は何も無かった。遊びもそれが原点)
無いものねだりはできないから、今あるものの中から何かを産み出して来ました。
すべり台は、会議用テーブルを土台にしました。
それが知恵なんだと思います。それが遊びの原点でもあります。
基本は、医療的な視点(感覚統合的運動学的な遊び)と児童学的な視点(心理学や教育学的な考え方)を軸としています。

③遊びの会の基本姿勢は大人が待つこと

子ども自身または他人が傷つく行為以外は、こちらから先に口を出すことはありません。
多少遊びのお手伝いはしますが、基本はただニコニコ見守ります。
こちら大人側が空っぽの箱のように(作為的ではなく)じっと子どもを待っていると、子どもの方から寄ってきます。こちらから先に追いかけてはいけません。
子どもは大人が見えない気づかないところで育っていることが多いです。
小さな冒険心がチャレンジを産み出し、失敗してもチャレンジしたことそのものが小さな成功体験として残ります。そこが凄く重要。子ども同士の小さないざこざは子ども同士で解決することが重要。
焚き火で少し熱い思いをすれば、火の扱い方を覚えます。大人は火事にならないように見守っていればよいのです。
植松努さんが、“多少危険なことを安全にさせるのが遊びでもある”と言う意味のことを言われていますが、その通りだと思います。

要するに、この遊びの会は、転ばないように走るのではなく、上手な転び方をいくつも教えてあげているんだと思います。人との関係においても同じです。 遊びの会はそんな空間です。


「かなりや」という童謡

「かなりや」という童謡があります。
遊びの会は、この歌のようなスピリット(基本精神)で有りたいと考えています。
詳細はこちら→


遊びの会に関する記事ご紹介


活動内容について

遊びの会は、福島県内各地にて会場を借りて、活動を行っています。

思い切りジャンプする、滑り台を身体いっぱい使って滑る、砂で遊ぶ、トンネルをくぐる、自分の身体より大きな絵を描く…。感覚をまとめ上げる力を養う大切な遊びはたくさんあります。昔はよく公園や空き地で行っていた遊びです。

「紙のプール」「トランポリン」「トンネル」「お絵かき」「滑り台」などを利用しています。

身体が脳に働きかける影響は大きく、運動と感覚のやり取りは、脳への素晴らしい栄養になっていると言うことができます。


これまでの遊びの会

2012年から2022年末までの約11年間で合わせて40回開催。
発達障がい関係の子どもの参加は延べ1,154人。父母等の参加は延べ323人。
ボランティアは、学生、保育士、教諭、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の参加は延べ957人。
総勢延べ2,434人が参加。






遊びの会は、日本チェルノブイリ連帯基金(JCF) (理事長 鎌田實)から支援を頂いています。